既存園舎の老朽化と耐震強度不足によって、近隣小学校の敷地内に移転することとなり、既存施設も有効活用しながら、小学校と連携した保育・教育環境の整備を図った。
小学校の図書館であった既存棟は４・５歳児の保育室へと改修し、０～3歳児までの保育室、職員室及び給食室を新築することとした。既存建物の配置条件より、北東に位置する既存棟から、東西軸に主動線となる渡り廊下を通し、南西に新築棟の園舎を配置した。
そして、それぞれの園舎に面した性格の異なるふたつの庭をつくった。既存棟南側の園庭は、元気に遊ぶ子どもたちのための小学校グラウンドに面して、開放的な場とした。また、新築棟北側の園庭は、小学校の既存建物に囲まれて落ち着いた雰囲気の乳児向けの庭とした。
新築棟は、シンプルな片流れ屋根とし、南側の軒高を抑えることで、子どもたちの身体に合うスケール感とした。それによって、小学校のグラウンドに対する圧迫感が無くなり、既存の景観と調和させることができた。