鶴岡市は山形県庄内地域に位置し、庄内藩の歴史と文化が息づく街である。鶴岡市立荘内看護専門学校の新校舎は、「鶴岡の歴史と文化に立脚し、地域医療に貢献する人材を育成する看護学校」をテーマに計画した。文化の息吹溢れる街の一角に静かに佇む。地域医療に貢献しようとする看護を志す人たちの誇りを象徴するように、ナイチンゲールのナースキャップをモチーフとした白いシェイドをあしらった。このシェイドは、室内への日射をコントロールする装置であると同時に、地域に向けて「地域の医療を担ってほしい」というメッセージでもある。
内部は、1階からペントハウスへの吹抜けとなっているセンターホールが、光と気配を通し、杉材の格子に囲まれた階段が上下階をつなぐ。そこに、教室・実習室・図書室などの室が「閉じた箱」ではなく、ひとつながりの学びの風景として立ち現れる。そのなかで講堂は戴帽式など節目の儀式を執り行う看護学校にとっては特別な場所である(戴帽式はナイチンゲールのナースキャップに由来する)。そこに荘内病院と前面広場を取り込み、学びと臨床現場の距離を心象的に近づけた。
一方で、当該地は第一種高度地区による高さ制限や浸水リスクといった厳しい与条件が課せられていた。ボイドスラブと扁平梁によって階高を抑え、設備を露出させることで、室内高さを確保した。構造と設備のロジックをそのまま空間の表情へと転化し、「誠実に手当てを続けることができる建築」という看護教育の場にふさわしい姿を実現した。
また、敷地内外周には緑地と歩行空間を設け、地域に開かれた明るい佇まいとともに、歴史ある街並みの新たなランドマークに仕立てることができたと自負している。
内部は、1階からペントハウスへの吹抜けとなっているセンターホールが、光と気配を通し、杉材の格子に囲まれた階段が上下階をつなぐ。そこに、教室・実習室・図書室などの室が「閉じた箱」ではなく、ひとつながりの学びの風景として立ち現れる。そのなかで講堂は戴帽式など節目の儀式を執り行う看護学校にとっては特別な場所である(戴帽式はナイチンゲールのナースキャップに由来する)。そこに荘内病院と前面広場を取り込み、学びと臨床現場の距離を心象的に近づけた。
一方で、当該地は第一種高度地区による高さ制限や浸水リスクといった厳しい与条件が課せられていた。ボイドスラブと扁平梁によって階高を抑え、設備を露出させることで、室内高さを確保した。構造と設備のロジックをそのまま空間の表情へと転化し、「誠実に手当てを続けることができる建築」という看護教育の場にふさわしい姿を実現した。
また、敷地内外周には緑地と歩行空間を設け、地域に開かれた明るい佇まいとともに、歴史ある街並みの新たなランドマークに仕立てることができたと自負している。
- 住所
- 山形県鶴岡市泉町5番67号
- 竣工
- 2025年03月
- 敷地面積
- 2,829.51㎡
- 建築面積
- 1,104.25㎡
- 延床面積
- 2,679.69㎡
- 構造規模
- RC造、一部S造 3階建て















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